Recently, I am reading some articles on Japanese meat export to Southeast Asian countries and the challenges faced. They include market demand and religious restrictions like halal certification requirements. In this blog post, I am going to share two articles (in Japanese) regarding this topic.
Article 1:
日本産鶏肉のシンガポール進出を徹底考察|輸出拡大に向けた市場レポート
Food
2023.07.12
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シンガポールのソウルフードが「チキンライス」であるように、宗教的な制約のない鶏肉はシンガポールで最も消費されている食肉です。
チャイナタウン近くにあるマクスウェルフードセンター内のチキンライスの名店「天天海南鶏飯」では連日のようにローカルが大行列を作っているように、シンガポールでの鶏肉人気は不動です。
そんなシンガポール国民にとっては欠かせない食材の一つである鶏肉ですが、2022年6月よりシンガポールの鶏肉輸入量の3分の1を占めていた「マレーシア産の鶏肉」の輸出制限が始まり、シンガポール国内の鶏肉市場は大打撃を受けました。
これを受けて、シンガポール政府はインドネシア産鶏肉の輸入を承認するなど、鶏肉の調達先の多角化を一層推し進めています。
日本産鶏肉は、まだまだシンガポールにおいてはシェア数が少なく、日本産鶏肉に対する認識も消費者レベルでほとんどないというのが現状です。
国をあげて輸入国の多様化を推進している今こそ、日本産鶏肉の輸出拡大を狙えるチャンスだという可能性もあります。
このブログでは、シンガポールのリアルな鶏肉市場について現地在住者ならではの視点からご紹介しています。
日本産鶏肉のシンガポール市場進出や、アジア市場展開を検討されている方はぜひ参考にして下さい。
INDEX
シンガポールの鶏肉マーケットはポテンシャルが高い
シンガポール人の鶏肉消費量は日本人の約2.5倍
シンガポール政府が鶏肉輸入を後押し
現時点で日本産鶏肉のシンガポール輸出は許可されている
シンガポールでの鶏肉の販売状況は?
シンガポール国内のローカルスーパー・日系スーパーでの販売状況
シンガポール国内の大手ECサイトでの販売状況
シンガポール人に日本産鶏肉に関してインタビュー!日本の鶏肉料理は意外と人気?!
日本産鶏肉に対する印象は?
鶏肉の一番好きな部位はどこ?
一番好きな鶏肉料理はなに?
シンガポール市場でどう日本産鶏肉を売る?具体的な戦略を練ってみました
施策案1:日本産鶏肉のブランド化
施策案2:日本料理を中心としたプロモーション
施策案2:日本での不人気部位の輸出
さいごに
【 語り手:浅野 聡子(Vivid Creations)】
広告代理店にてアートディレクター・デザイナーとして食品・消費財・化粧品等、多様な業種における広告およびプロモーションキャンペーンの企画・制作に従事。2023年よりVivid Creationsに入社。
シンガポールの鶏肉マーケットはポテンシャルが高い
シンガポール人の鶏肉消費量は日本人の約2.5倍
2020年度のシンガポール食品庁(Singapore Food Agency:SFA)の報告書によると、シンガポール国民1人当たり年間の鶏肉消費量は約36kgとなっており、日本国民の約2.5倍の消費量となっています。
シンガポール国内出の鶏肉の消費量は、他の食肉や魚介類と比較しても圧倒的に多いのですが、単に人気というだけでなく、Readmartの調査によると、市場に出回る食肉の価格は、100g当たり「牛肉:約300円〜」「豚肉:約200円〜」「鶏肉:約150円〜」と、牛豚肉と比較して鶏肉の方が安価であることから手に取られやすいという背景もあります。
またシンガポールには、豚肉を食べることができないイスラム教徒が約15%、牛豚肉を食べられないヒンドゥー教徒が約4%いるため、唯一どの宗教の制限もない鶏肉の消費量が高くなっているということも考えられます。
実際にシンガポールのローカルスーパーに行くと、鶏肉コーナーは他の食肉コーナーと比較しても幅広く取られていることが多いです。
PER CAPITA CONSUMPTION AND IMPORT VOLUMES OF THE COMMONLY CONSUMED FOOD ITEMS (JAN-DEC 2020)
【出典】Singapore Food Agency, GROWING our FOOD FUTURE 2020/2021
シンガポール政府が鶏肉輸入を後押し
Singapore Food Statistics 2021によると、シンガポールの2021年の鶏肉輸入量は計21万4400トン。
主な輸入国は約50%がブラジルで、次いでマレーシア34%、米国8%となっています。
シンガポールの2021年の鶏肉輸入量
【出典】Singapore Food Statistics 2021
しかし、2021年に始まったマレーシアからの鶏肉の輸出規制によって、今後各国のシェア数は大幅に変わってきそうです。
シンガポール政府はインドネシアからの鶏肉輸入許可に加えて、特にタイ、オーストラリアからの輸入拡大に関しても模索しているようです。
シンガポールが輸入している鶏肉は、主に以下の3つの種類に分類されます。
ブロイラーチキン
食肉用に最適な健康状態と大きさになるように品種改良された鶏です。
スーパーマーケット等に並んでいる最も一般的なものになります。
カンポンチキン
マレーシアやインドネシアなどに生息する鶏の品種を指します。
元々は農場で放し飼いにされていましたが、現在はケージで飼われることが多いようです。
ブロイラーよりも小型で高価なのが特徴です。
ブラックチキン(黒鶏)
カンポン鶏と同様に、黒鶏も小型で高級品とされ、価格も高い。
黒皮の鶏の多くは、タンパク質の含有量が非常に高い肉を生産しています。
黒鶏は、一般的に中華料理の薬膳スープの材料として使われます。
また、以下の形態で、29カ国(2021年時点)の認定国から鶏肉を輸入しています。
生きたまま
通常、マレーシアから生きたまま持ち込まれ、国内で屠殺・処理されます。
マレーシアが2022年6月に鶏肉の輸出を禁止したことを受け、シンガポールはインドネシアからの生きた鶏の輸入を検討しています。
来年2024年以降に需要があれば、シンガポールに新鮮な鶏肉を供給するための新しい農場がバタム島にできる可能性があります。
チルド(冷蔵)
未加工の鶏肉で、4~7℃の温度で保存・輸送されます。
鶏のどの部分も冷凍されていません。冷蔵庫で2日間、冷凍庫で3カ月間保存可能です。
冷凍
輸送前と輸送中に深層凍結されたものを指します。
-18~-12℃の温度で保存・輸送され、冷蔵庫で2日間、冷凍庫で12カ月間保存可能です。
加工
部位ごとに分解され、胸肉、脚、手羽先などの貴重な部位は取り除かれ、別々に梱包された後、空輸・輸送されます。
燻製や熟成、化学的な防腐剤の添加などによって保存された肉も加工肉に分類されます。
加工工場で調理されたり、ナゲットやパテなどの製品にされることもあります。
現時点で日本産鶏肉のシンガポール輸出は許可されている
日本産鶏肉の輸出可能国・地域は限られており、現在はアジアの5カ国、EU、ヨーロッパ4カ国のみとなっています。
現在は、中国などと輸出解禁のための協議が行われています。
シンガポールにおいては、2019年5月31日に鶏肉を含む日本産畜産物の輸出が解禁されましたが、鶏肉輸出施設についてはシンガポール政府の査察・認定を受ける必要があります。
シンガポールにおける日本産鶏肉の輸入条件としては、チルドは禁止、冷凍および加工鶏肉の輸入はOKとなっています。
ただし高病原性鳥インフルエンザの発生により一部道県で生産および処理された鶏肉の輸入制限がかかっているので、詳細はこちらのリンクよりご確認下さい。
▶️農林水産省:アジア | 証明書や施設認定の申請
▶️Singapore Food Agency:LIST OF COUNTRIES/REGIONS APPROVED TO EXPORT MEAT AND MEAT PRODUCTS, TABLE EGGS AND EGG PRODUCTS, LIVESTOCK, LIVE OYSTERS AND FROG LEGS TO SINGAPORE
おまけ:日本産鶏肉の輸出量推移
日本産鶏肉の海外への輸出先は、香港が最大となっています。
シンガポールへの輸出量はまだまだ少ないですが、シンガポール政府は鶏肉輸入先の多様化推進を行っているので輸出量拡大の追い風となる可能性があります。
10年以上ブラジルとマレーシアによってほぼ独占されていたシンガポールの鶏肉市場ですが、これを期にゲームチェンジが起きようとしています。
シンガポール人の日本食を含む日本への関心・信頼度の高さを考えると、日本産鶏肉が今後シェア数を伸ばしていくことは可能であると考えられます。
日本産鶏肉の海外への輸出先
【出典】独立行政法人農畜産業振興機構, 国内の需給動向【最近の食肉の輸出動向について】 畜産の情報 2020年11月号
おまけ:日本産鶏肉とシンガポール市場に関する動向
シェア数はまだまだ少ない日本産鶏肉ですが、農林水産省は日本国産鶏肉のシンガポールへの輸出額を、2025年には2億円とすることを目標に掲げています。
また、生産者・食鳥処理施設・輸出事業者が連携し、生産から輸出まで一 貫して輸出促進を図る「コンソーシアム」の構築や、現地プロモーション、BtoB商談会の実施等の方策を打ち出しています。
シンガポールにおいては、特に鶏肉の衛生管理が特に重要となるので、高度な衛生水準に対応でき、価格競争力のある認定施設を増やしていくことを目指しています。
現時点で、シンガポール政府によって認定されている日本産鶏肉の輸出業者は、宮崎県(宮崎くみあいチキンフーズ 株式会社都城食品工場)の工場1箇所のみです。
認定施設となるにはシンガポール食品庁の厳しい管理基準を満たさなければならず、特に輸送ルートにおいてコールドチェーンを途切れなく維持させることなどが重要となってきます。
シンガポールでの鶏肉の販売状況は?
シンガポール国内のローカルスーパー・日系スーパーでの販売状況
日本よりも全体的に販売価格が高い印象です。
また、日本では鶏ムネ肉の方が鶏もも肉より圧倒的に安いですが、シンガポールでは鶏ムネ肉と鶏もも肉の値段差はほとんどありません。
ブラジル産もも肉 SG$1.6/100g
SG$14.5/1kg
マレーシア産ささみ肉
マレーシア産ムネ肉
マレーシア産もも肉
マレーシア産骨付きもも肉
マレーシア産カンポンチキン
SG$2.0/100g
SG$21.80/1kg
SG$13.7/1kg
SG$1.3/100g
SG$14.8/1kg
SG$12.2/1羽
タイ産チキンドラムスティック
タイ産ムネ肉
SG$1.4/100g
SG$1.35/100g
中国産ムネ肉 SG$16.7/1kg
シンガポール国内の大手ECサイトでの販売状況
シンガポールのECサイトでは、日本ではあまり好まれない鶏の足や鶏皮など少し変わった部位が売られています。
スーパーにも売られていることがありますが、ムネ肉やもも肉以外の部位はECサイトの方が豊富な印象でした。
ブラジル産冷凍ムネ肉
ブラジル産もも肉の味噌焼き(加工シンガポール)
SG$7.98/1kg
SG$3.18/100g
マレーシア産ムネ肉
マレーシア産もも肉
マレーシア産チキンホール
マレーシア産チキンホールぶつ切り
マレーシア産鶏の足
マレーシア産鶏レバー
マレーシア産鶏皮
SG$1.8/100g
SG$1.44/100g
SG$8.32/1羽(1200g)
SG$7.27/1050g
SG$0.61/100g
SG$0.9/100g
SG$1.2/100g
シンガポールではローカルスーパーおよびECサイトの他にウェットマートと呼ばれる朝市があります。シンガポール人は他と比べて安価に生鮮食品が手に入るウェットマートを利用することも多いです。
日本産鶏肉ってどう思う?|シンガポール在住生活者インタビュー
シンガポールの現地友人6名に簡単なヒアリングを実施しました。
ヒアリング内容を少しまとめると、日本産の鶏肉の知名度はまだまだですが、焼き鳥や唐揚げなどの日本料理は人気でした。
質問項目は下記3点です。
日本産鶏肉に対する印象は?
鶏肉の一番好きな部位
一番好きな鶏肉料理
それぞれの項目に対して寄せられたリアルな声をそのまままとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 日本産鶏肉に対する印象は?
【Aさん】
特別な印象はない。良くもないし悪くもない印象。日本は鶏肉で有名な印象はなく、日本産鶏肉に関するプロモーションも少ないので特に情報がない。なんとなくオーガニックな鶏肉を生産している印象がある。
【Bさん】
なんの印象もない。産地によって鶏肉の味が変わるとは思わない。
【Cさん】
チキンカツサンド、チキン唐揚げを思い出す。ジューシーでおいしい印象。
【Dさん】
鶏唐揚げに使われているイメージ。
【Eさん】
鶏唐揚げの印象。
【Fさん】
Tori-Q(シンガポールで人気の焼き鳥チェーン)などシンガポールで日本のチキンが食べられるかどうかはわからない。日本の鶏料理といえば、親子丼とか鶏のから揚げとかの印象。
2. 鶏肉の一番好きな部位はどこ?
【Aさん】
ムネ肉かもも肉。内臓系も好きだが、中華料理に限られる。
【Bさん】
鶏のもも肉、レバー、皮、手羽先が好き。胸肉はパサパサしているので好きではないが、健康な人は胸肉が好きだと思う。以前は鶏の足が好きだったが、食べにくいので好きではなくなった。
【Cさん】
もも肉が好き。
【Dさん】
もも肉をよく食べる。
【Eさん】
ムネ肉ともも肉が好き。
【Fさん】
ムネ肉が好き。
3. 一番好きな鶏肉料理はなに?
【Aさん】
インドネシアングリルチキン。内臓系であればシンガポール料理のKway Chapが好き。
【Bさん】
チキンライス。海南チキンライスが好きな理由は、チキンがとても柔らかく調理されているから。フライドチキン(KFCなど)やバーベキューチキン(シンガポールスタイルのバーベキューチキンウィング)も大好き。日本食であれば焼き鳥、特にぼんじりが好き。
【Cさん】
海南チキンライスが好き。
【Dさん】
日本の鶏カツが好き。
【Eさん】
チキンライスとチキンカツが好き。
【Fさん】
スープレストランのサムスイチキンが好き。
インタビューでわかったこと
シンガポールでは日本産鶏肉に対する印象は特にない
鶏肉を選ぶ際に産地を気にしている人も多くはない
内臓系や鶏の足など日本人にはあまり馴染みのない部位を好む人も
鶏肉料理はシンガポールの国民食である「海南チキンライス」が人気でしたが、日本の焼き鳥、唐揚げ、チキンカツなども人気
このことから、すでにシンガポール市場では日本食も鶏肉を使った日本料理も知名度が高いので、「日本産鶏肉」のブランドを市場に啓蒙し、日本産鶏肉の価値を高めることができれば、流通量拡大をの可能性が高まると考えられます。
シンガポール市場でどう日本産鶏肉を売る?具体的な戦略を練ってみました
価格設定、衛生管理、基準を満たした輸出ルートの確保等、まだまだ日本産鶏肉の輸出におけるハードルはいくつかあります。
一方で、未開拓市場だからこそたくさんのチャンスがあるとも考えられます。
以下では、シンガポールで創業し15年以上の日本産商品のプロモーションに携わってきた弊社の視点で、シンガポール市場での日本産鶏肉のシェア拡大に向けた施策のアイデアを、調査内容を元に3つまとめてみました。
事例も合わせてご紹介していますので、参考にしてみてください。
施策案1:日本産鶏肉のブランド化
ヒアリングを通してわかったのですが、鶏肉はシンガポール国内で最も消費される食肉であることからシンガポール人はより安価なものを購入する傾向にあり、原産地を気にして購入する人は少なそうです。
ただ、中には鶏肉の品質にこだわり、積極的に抗生物質を使用していないオーガニック鶏肉を購入している人もいました。
その方はKee Songという会社が出しているSakura Chickenという鶏肉を購入されているようですが、パッケージをよく見るとJapanese Farming Technologyと書いてあります。
ホームページで詳細を見てみると、飼料に乳酸菌を使用していたり、モーツァルトを聞かせて育てるなど、ジューシーで美味しい鶏肉を生産するために様々な取り組みがされているようでした。
Kee Song Webサイトのっキャプチャ
【出典】Kee Song Online Webサイト – Brands
日本産鶏肉にとっては当たり前であるホルモン剤の不使用や、抗生物質の使用制限などはこういった品質をこだわる層にとっては響きやすいポイントかもしれません。
和牛の生産へのこだわりが世界中で認知されるようになったように、日本産鶏肉も地道にそういった生産者のこだわりの発信を続けていくことが大事でしょう。
鶏肉ではありませんが、弊社では日本酒のプロモーションを現地の非日本食レストランとコラボレーションして実施し、過去には70種類以上の日本酒のペアリングメニューを誕生させたプロジェクトを実施していますので、是非参考にしてみてください。
シンガポール市場での日本酒PR事例|日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)
JFOOD キービジュアル
施策案2:日本料理を中心としたプロモーション
焼き鳥や親子丼、からあげ、チキンカツ等の鶏肉を使用した日本料理はシンガポール人からとても人気です。
シンガポールにおいて日本食はブームを通り越して、日常的に食べられるものとして幅広い層に定着しています。
日本食料理屋が飽和状態となっているシンガポールにおいて、他店舗との差別化を図る方策の一つとしては食材へのこだわりが挙げられます。
日本産の地鶏を使用した焼き鳥等は、本場の日本食を求めるグルメなシンガポール人には魅力的に映る可能性が高いです。
これらの特徴を踏まえて、日本食料理店などとともに、食にこだわりのある層を狙ってプロモーションを行い、その後一般に向けて販路を開拓していくのが良いでしょう。
さらに、ヒアリングには輸入が基本のシンガポールにおいてほとんどのシンガポール人は冷凍鶏肉を購入することに抵抗がないということもわかりました。
そのため、あらかじめ串に刺さった状態の日本産鶏肉を使用した焼き鳥の冷凍販売や、唐揚げのミールキット販売などは家庭で料理をあまりしないシンガポール人に受け入れられやすい可能性があります。
このように商品開発も含めて検討していくのもシンガポール展開においては必要かもしれません。
弊社では2021年に、日本から姿を消したトキと、新潟・佐渡の里地里山を保全するために始まった『朱鷺と暮らす郷づくり認証制度』のもとで育てられたブランド米「朱鷺と暮らす郷」をPRする事業で、シンガポールの飲食業界関連の事業者とともに、以下の取り組みを実施しました。
日本食レストラン3店舗で限定メニュー提供
レストランや輸入会社とオンライン商談
日本食レストラン25店舗への調査
EC販売・料理教室でのイベント開催
詳細は以下の記事にまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。
シンガポールで拡販を目指す日本米「朱鷺と暮らす郷」の取り組み
施策案2:日本での不人気部位の輸出
日本ではあまり食べられない鶏の足や内臓は、実はシンガポールでは貴重な食糧となっています。
こうした日本国内で不人気部位を、シンガポールに向けて安価で生産することも輸出量拡大の一手となり得ると考えられます。
ちなみに、不人気部位を使用したシンガポール料理の一部を、下記にご紹介しますので参考にしてみてください。
Braised Chicken Feet
鶏の足を使った煮込み料理
【出典】Jia Bin BaK Kut Teh Webサイト
Chicken Gizzard
砂肝を使った料理(右上)
Chicken Gizzard
【出典】SETHLUI.com, 10 Awfully Delicious Offal (Innards) Dishes In Singapore You Need To Try, February 1, 2017
さいごに
シンガポール食品庁(SFA)の鶏肉輸入に対する規制は厳しく、日本産鶏肉のシェア数を伸ばしていくにはまだまだ時間がかかりそうです。
日本とはちょっと違ったシンガポールの鶏肉文化について理解し、地道に市場にアプローチしていく必要があると考えられます。
本ブログ記事の情報が、少しでも日本産鶏肉の輸出拡大や、シンガポール市場への進出を検討する際にお役立ちましたら幸いです。
Article 2:
東南アジアへ挑む日本の食肉企業―成長市場への参入戦略とポイント
はじめに
需要拡大と多様化する消費構造
成長する中間層・富裕層
宗教・文化の影響
鶏肉・豚肉が市場をけん引
日本の強みを活かす参入戦略
日本産食肉の「特別感」を現地に届ける
「現地生産&手頃価格」で狙う中間層へのアプローチ
ハラール対応は現地展開だけでなく輸出時にも不可欠
流通チャネルとマーケティングのポイント
高級ホテルへの売り込みとプロモーション戦略
伝統市場の取り込みは長期視点で
今後の課題と展望
コールドチェーン拡充とインフラ整備
合弁・M&Aによる効率的参入
ハラール要件への備え
高付加価値商品の輸出と現地生産のすみ分け
まとめ
はじめに
世界的な人口増加と経済成長が続く中、特に東南アジア(ASEAN)地域は食肉需要の拡大が顕著に見られるエリアです。インドネシアやベトナム、マレーシア、タイといった主要国では、中産層や富裕層が台頭するにつれ、食の多様化と品質への期待が高まりつつあります。一方、日本の食肉産業は国内市場の成熟や担い手不足など構造的課題を抱える中で、海外進出による新たな成長機会を模索している企業が少なくありません。
本記事では、東南アジアの食肉市場に参入しようとする日本の食肉企業に向けて、これまでの知見を踏まえた戦略や注意すべきポイントをまとめます。ハラール要件や現地流通の特徴などを理解しつつ、日本の強みをどう活かすかを考える上でのヒントにしていただければ幸いです。
需要拡大と多様化する消費構造
成長する中間層・富裕層
インドネシアやベトナム、マレーシア、タイの都市圏では、中間層や富裕層の厚みが増し、外食や輸入品への関心が高まっています。これにより、牛肉・鶏肉・豚肉などさまざまな畜種に対する需要が同時多発的に上昇中です。
宗教・文化の影響
ハラール認証
マレーシアやインドネシアなどイスラム教徒が多い国ではハラール要件が欠かせません。一方、ベトナムやタイでは仏教徒が大多数を占めるため、国内市場向けとしてはハラール対応の義務度合いが低く、規制上のハードルはマレーシア・インドネシアほど高くありません。
鶏肉・豚肉が市場をけん引
鶏肉は比較的安価で生産サイクルが短く、イスラム教国でも需要が高いため、東南アジア全体の食肉成長を支える要となっています。豚肉はイスラム圏では制約があるものの、ベトナムやタイ、非ムスリム層を中心に高い消費が見られます。牛肉は需要の伸びが期待されるものの、価格面や宗教的制約で消費層が限られがちです。
日本の強みを活かす参入戦略
日本産食肉の「特別感」を現地に届ける
日本産と聞くだけで、「安全性・高品質・高級感」を連想する人は少なくありません。これは、高所得者層や高級ホテル・レストランのメニュー開拓においても大きなアドバンテージとなります。特に和牛や銘柄豚、地鶏といったブランド食材は、その希少性や丁寧な育成方法に対する信頼性が高いため、現地企業や消費者との商談でも大いに訴求材料となるでしょう。
さらに、この「特別感」を確固たるものにするためには、飼育過程や衛生管理、トレーサビリティなど、具体的に示す情報が重要です。たとえば和牛なら「血統」「熟成・処理の工程」「地域性」といった日本独自のこだわりやストーリーを全面に打ち出すことで、ローカル企業にはない物語性を付加できます。「食べること」に価値を見いだす層にとっては、この物語こそが購買意欲を高める決め手となるのです。
「現地生産&手頃価格」で狙う中間層へのアプローチ
宗教的な制限が比較的少ないタイやベトナムで、ブロイラー生産への出資や合弁を検討し、日系企業ならではの厳格な衛生基準を導入することで、「安心ブランド」として現地向けに供給する戦略が注目されています。特に飼料から屠畜までを垂直統合する企業との協業は、一貫管理によるコスト削減や品質維持に大きく寄与するでしょう。
一方で、低価格路線に巻き込まれるリスクを避けつつ、現地の中産層が十分手の届く価格帯を狙う戦略も有効です。日本式の冷凍食品や加工品(メンチカツ、唐揚げなど)を展開し、高い品質をアピールしながらも“手頃感”を打ち出すことで、幅広い層を取り込むことが期待できます。結果的に、現地の巨大な中間市場を開拓しつつ、自社の強みである品質や衛生管理の価値を最大限に活かせるのです。
ハラール対応は現地展開だけでなく輸出時にも不可欠
イスラム教国でビジネスを行ううえで、ハラール認証は避けては通れない最重要ポイントです。インドネシアやマレーシアで自社の屠畜・加工施設を立ち上げる場合、ハラールガイドラインに合致する設備や要員配置が必須となりますが、既存のハラール対応施設とパートナーシップを結ぶ方法も考えられます。設備投資やマネジメント負荷を抑えつつ、現地市場へ素早く供給できるメリットが大きいでしょう。
また、日本で屠畜・加工した製品を輸出するケースでも、ハラール認証は検討必須です。近年は日本国内でも自治体や企業がハラール認証を取得しはじめており、そうした施設を利用することでイスラム圏への輸出ハードルを下げられる点が注目されています。輸出型モデルを考えるうえでも、ハラール対応をどの工程で行うか、コストや認証手続きとの兼ね合いを含めた総合的なプランニングが求められるでしょう。
流通チャネルとマーケティングのポイント
高級ホテルへの売り込みとプロモーション戦略
ホーチミンやハノイ、ジャカルタ、バンコク、クアラルンプールといった大都市圏にある高級ホテルや外資系レストランでは、輸入高級食材を積極的に取り入れる動きが盛んです。最近は和牛を新メニューとして導入しようとするシェフも多く、こうした需要を狙う場合、コールドチェーンを備えた専門卸や現地ディストリビューターとのネットワーク構築が欠かせません。直接取引で安定供給を実現するのか、あるいは現地ディストリビューターの流通網を活用するのか、企業の体制や戦略に応じて選択肢が変わってくるでしょう。
また、実際にシェフやバイヤーが肉のカット方法や調理特性を理解し、味を体験できる場を設けることも非常に効果的です。料理研究家やインフルエンサーを招いた調理セミナーや試食会を開催し、その様子をSNSで拡散することで、現地での認知度を一気に高めることが期待できます。さらに、現地語のレシピ動画や調理ガイドを用意すれば、商品を使いこなすハードルを下げられ、より多くのシェフや飲食店オーナーに「日本の味」を選んでもらえる可能性が広がるでしょう。
伝統市場の取り込みは長期視点で
インドネシアやベトナム、マレーシアなどでは、ウェットマーケットと呼ばれる伝統市場が依然として主流の販売チャネルとして機能しています。その場で生きた家禽を屠殺・販売するケースも珍しくなく、低温輸送のインフラが行き届いていない地域も少なくありません。こうした環境にいきなり直接参入するのはハードルが高いため、まずは都市部から近代流通を押さえ、徐々に地方へ拡大していくのが現実的な戦略といえるでしょう。
ただし、長期的な目線では、地域の契約農家や地方の屠畜場と連携し、ローカル向けにも「新鮮・安全」な食肉を提供するモデルを検討する余地があります。ここではインフラ整備や消費者教育が不可欠となるため、段階を踏んでアプローチすることが重要です。短期的には都市部の近代的流通で一定の実績を積み、徐々に伝統市場へノウハウを広げる形をとることで、より幅広い層の需要を取り込める可能性が高まるでしょう。
今後の課題と展望
コールドチェーン拡充とインフラ整備
東南アジア各国は都市部を除く地方部でのコールドチェーンがまだ脆弱な場合が多く、電力・物流インフラに不安定な部分があります。日本の企業としては、大手物流会社と組む、あるいは合弁で冷蔵倉庫を整備するなど、「インフラ整備ごと」参入を検討するケースも増えるでしょう。これにより、現地の食肉流通を底上げしつつ、自社製品の安定供給を可能にするメリットがあります。
合弁・M&Aによる効率的参入
自前で0から施設を整え、販路を構築するには時間とコストがかかりすぎることもあります。そのため、現地で既に大きなシェアを持つ企業やハラール認証施設などをM&A、もしくは合弁企業として活用する選択肢も考えられます。大手企業だけでなく、地域に根差した中規模企業との提携により、きめ細かなマーケティングや顧客サポートが可能となる例もあるでしょう。
ハラール要件への備え
東南アジアではイスラム教人口が最も多いインドネシアやマレーシアに加え、タイなどでもムスリムコミュニティが一定数存在するため、ハラール対応へのニーズはますます増える可能性があります。日本国内でもハラール認証を取得した食肉加工場や物流拠点が増えつつあるため、輸出型ビジネスを想定する企業は早期に対応体制を整えることが重要です。
高付加価値商品の輸出と現地生産のすみ分け
日本の独自技術(熟成ノウハウ、和牛育種、先進的な品質管理)を生かし、高付加価値の輸出で利益率を高める戦略と、現地に生産拠点を築いてボリュームゾーン(中価格帯)を狙う戦略は、両輪で考えると効果的です。たとえば、和牛やブランド豚は輸出でプレミアム市場を獲得し、ブロイラーなどは現地法人による大量生産で中間所得層へ供給する、という組み合わせがあり得ます。
まとめ
日本の食肉企業が東南アジア各国に参入する際、宗教・文化的要件(ハラール認証や伝統市場の存在など)、インフラ整備の成熟度、そして大手統合企業との競合状況を正確に把握し、それに合ったターゲット戦略を構築することが必要不可欠です。日本独自の強みとされる「安全性・高品質・高級感」「ブランド力」を武器にするだけでなく、価格帯の調整や流通チャネルの選定、さらにはハラール対応など、現地で求められる要素に柔軟に応える姿勢が求められます。
さらに、東南アジアは一枚岩ではなく、各国ごとに経済規模・宗教比率・消費文化が大きく異なる多様な市場です。そのため、まずどの国や都市をターゲットに据えるのかを明確にし、小規模でも“成功モデル”を築いたうえで周辺国へ広げていく戦略が有効といえます。また、「東南アジアへの進出」や「東南アジアM&A」「東南アジアへの販路開拓」を検討する企業にとっては、地場企業との合弁や買収を通じ、一気にシェアを拡大するアプローチも考えられるでしょう。
都市化や人口増が続く東南アジアには、確かに巨大なビジネスチャンスが存在します。しかし、コールドチェーンの未成熟やハラール制度整備の状況など、“乗り越えるべきハードル”が少なくないのも事実です。こうした課題があるからこそ、日本の食肉企業がもつ差別化要素や専門性は一層輝き、適切なパートナーや投資を行うことで、中長期的な成功への道が開けると言えます。
リデルタは日本企業が東南アジアの成長を取り込み、アジアでのプレゼンスを高めるべく挑戦する日本企業のために進出支援コンサルティングおよび東南アジアM&Aサービスを提供しています。
リデルタは現在220名を超えるローカルエージェントを抱えているため現地のビジネス慣習やマーケットを深く理解しており、また多くの現地販路ネットワークをもつパートナーも紹介可能です。
リデルタでは東南アジア諸国の案件をご紹介可能ですので「東南アジアへの進出」「東南アジアM&A」をご検討の企業のご担当社様は気軽に無料相談にてご連絡ください。
リデルタが日本の産業を東南アジアで拓くための一助となれることを心より楽しみにしております。
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